being (希望)

私たち人間が幸福に生きるには、希望を持って生活することが欠かせないと思います。

 

不治の病にかかったりしたら、もうまったく夢も希望も持てなくなるかもしれません。

しかし、残された日々、許された命のなかに、自分には何ができるかということに生きがいを見つけ、立派に生をまっとうしている人もたくさんいます。

 

「あなたの希望は何ですか」の問いかけに対して、

「出世がしたい」「有名になりたい」「もっとお金が欲しい」「大きな家に住みたい」など、いろいろな答えが返ってきます。

 

死ぬときに持っていけないものばかりを欲しがる人は、案外多いものです。

 

それは、希望というよりも欲望です。

 

エーリッヒ・フロムという心理学者は、私たちの欲望は「外に対して願望を持つ」ということ、といっています。

つまり、地位や名声、財産などを求めることは、外に対する願望です。

 

いっぽう、希望というのは内なるものなのです。

自分を見つめ、自分の内側に求める未知なる能力といってもいいでしょう。

 

外に対する願望は、何を持つかという「having」です。

 

希望とは、どうありたいかという「being」なのです。

 

どういう人になりたいか。

どういう人生を過ごしたいか。

 

そんなことに、めいめいが想いを持ってほしいものです。

 

 

*日野原重明 生きるのが楽しくなる 15の習慣より

 

たきがみ博士
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  旬(ときめき)亭

  亭主 たきがみ博士